システムと業務のレベル

1998年10月22日

コンピュータのプログラムの集まりをシステムと言っていますが、コンピュータシステムは使う人の要求により作り方が違います、また使う人の業務処理能力でも違います。システムにもレベルがあります。

一つの最も高度な考え方を見てみます。この企業は、年商が10数億の卸売業です。年商80億くらいの会社の子会社で、考え方は親会社のものです。

販売管理では、売上伝票を入力する都度粗利を計算します。
原価は先入先出法で、仕入れた時のものを採用し、売る品物は、いつ仕入れたものかが特定されています。この原価には仕入先からの販売手数料もその都度計算して加味してあります。

その売上、仕入、粗利、を日々に集計します。同時に、売上高と仕入高に関する内容を全て、経理へ自動で仕訳をしておきます。

財務管理では、通常月末に棚卸を計上し、以下のような式で売上総利益を計算します。
売上総利益=売上高−(前月棚卸高+当月仕入高−当月棚卸高)

この、販売管理の日々集計された粗利益と財務管理の売上総利益が一致するようにシステム化されています。毎日見ている販売管理の粗利益が月次決算の粗利と合う訳ですから、経営の指針としては相当に有効なものと言えます。簡単に書きましたが、これほどのシステムを他に見たことがありません。また、要求するユーザーもいませんでした。

このシステムは、作るのも難しいのですが、使うのも難しいシステムです。使い方に妥協があっては、粗利が合ってきません。業務ルールを厳しく定め、それを厳密に守らないと結果は狂ってきます。

この例は、一般的な企業の業務レベルでは、運用できるものではありません。また、毎日粗利を見る必要もない、と言う考え方もあるかもしれません。身の丈に合ったレベルのシステムの方が安上がりで、運用も易しいと言えるかも知れません。しかし、経営者側から見ると欲しいシステムです。

コンピュータだからここまではしなくてはいけない、と考えるか、使えるレベルでこれだけが出来ればいい、と考えるか、これは企業の業務レベルの判断によります。