要望の高級化

1999年4月8日

 コンピュータ導入の目的として、従来は事務の合理化を進めることが第一にありました。請求書作成や帳簿記帳をコンピュータにさせて、実績の集計をする、そんなレベルでした。プログラムの不備や、運用のまずさにより事務の合理化さえ満足できない状況にある企業も多くありました。

 最近の要望として、事務の合理化・省力化を達成することが出来て、更にコンピュータに対する要望は高級化しつつあります。

 社長が自らの端末で、今日現在で、全社の売上のみでなく原価までを即座に見たい、その他の経営指標も居ながらにして見たいと言う要望があります。しかも、出来るならば日々の粗利もしくは経常利益までを見たいと言う訳です。

 従来ならば、担当別の売上が前年比・計画対比でどうか、得意先別売上が前年比でどうか、こんなレベルでした。今の要望は、得意先別の粗利が今日現在で見ることが出来ないか、得意先別に見て計画との対比はどうか、そんな要望になりつつあります。

 日々に売上データ等から導き出される粗利は、従来は単なる目安に過ぎなかったのが、今や月間の粗利・経常利益と合うレベルまで要求されます。そして、この延長で行くと今期はどんな利益になるか、そのシュミレーションまで要求されます。

 昨年の10月22日に「システムと業務のレベル」として、このレベルに達した企業があるとの内容を書きましたが、このところ立て続けに似たような要望の話が舞い込みました。こんな時に思うのは、その企業の経営者が開発前に言われたことが記憶に残っています。「運用は難しくても、必ずルールを守らせますから、間違いのないシステムを作って下さい」と言う言葉でした。

 業務のレベルを上げないで、コンピュータにのみ処理の能力を要求する経営者は多いものです。自分の会社の事務や業務のレベルをコンピュータにより引き上げてもらおうとする甘い考え方では、高いレベルのシステムは使いこなせません。

 ただ高度な要望をしても、ルールを構築する力とルールを守らせる気概とが、その企業の中にないと、システムは使い切れないものです。