業務の聴き取り

1999年4月15日

最近、業務の聴き取り作業に毎週通っています。事務所にいないことが多いのですが、システムの基本的な要件を聴き、基本設計をする段階で、最もおもしろい時期です。

システム設計をする上で、業務の聴き取り作業というのは非常に重要な位置をしめます。基本的な姿勢としては、業務の基本的な流れを聴いて、データの流れをつかむことにあります。聴き取りの上手・下手が、後の工程に大きな影響を及ぼしたり、お客様との間で「言った、言わない」のもめごとの原因にもなります。

相手の、システム化の経験の有無、説明する業務への詳しさ、性格や興味の対象など、聴く側が見極めながら聴く必要があります。今回は6人を相手にその作業をしていますが、それぞれに関係している業務が違いますし、皆さん個性的です。ある人は自分の気になっていることだけを何回も繰り返し、ある人はめったに起こらない例外のみを強調し、大きな流れが見えてきません。話はあちこちへ飛び、何を聴いているかわからなることもあります。

事務的な仕事の場合、毎日の仕事・毎月の仕事は決まった流れで動いていますし、ほとんどが繰り返しになります。業務の大半をしめる繰り返しを聴き取ることが基本的なことなのですが、打合せの中で、本流をきちんと説明できる人が少ないのです。例外処理のみを聴いてしまい、本当の流れを聞き逃してしまうことが多いのです。

コンピュータシステムを作る時、例外を重視してしまうといびつなシステムになってしまいます。システムの構造に影響を与える例外と、些細な影響しかない例外とが混ざって打合せに出てきます。これを聴き分ける能力が設計者側になければなりません。

聴き取ってもらう側に要求されることは、「こんな時はこんなにします」というような事例をどれだけ話してくれるか、処理の仕方をわかりやすく説明してくれるか、そのあたりを見極めることではないでしょうか。そうですか、そうですか、と聴くだけのシステムエンジニアを信用してはいけません。