人間力育成講座(2)

1999年5月25日

 昨日に続き同じ本の紹介です。この本は、やはりSEになろうとする人に読んでもらいたいと考えます。かつて、プログラマー35歳定年説といのがありましたが、著者によると60歳までは出来るのがSEではないかということです。それ程に幅広い知識や、奥深い技術が必要であることが力説されています。

題名:コンピュータ技術者の人間力育成講座(1)
著者:木ノ下勝郎(株式会社オーロラシステム設計事務所、社長)
発売元:北宋社、定価:1905円
「」内は、すべて本からの引用させていただきました。

 「要求を早く決めるためには、SEが『業務に関する基礎知識と業務設計の枠組み』を豊かに蓄積すればいいのである。標準化を早く決めるには、SEが『コンピュータに関する基礎知識とシステム設計の枠組み』を豊かに蓄積すればいい。」

SEに必要な能力はコンピュータ知識のみではありません。コンピュータに関することは、そのことだけで非常におもしろいし興味をそそりますが、コンピュータの技術のみでは実際に使われるシステムを構築するのは難しいと考えます。

業務の実務を経験することのないのが普通のSEです。業務に対する知識と経験をいかに積み上げるか、業務の仕組みをシステム化する方法をいかに獲得するか、最も重要なことです。

 「上級のプロSEになるには、少なくとも10年以上はかかる。焦ることなく着実に、自分の向き不向きと将来像を見据えながら、問題意識をもって勉強し続けることを社員に要求したい。」

まさにこの通りです。変化しつづける経営環境、進化しつづけるコンピュータ技術の中で、適応できるシステムを構築するためには、一人一人が成長しつづけるしかありません。何を、どんな風に勉強したらいいか、その答えがこの本の中にあります。

 「人の仕事で成り立っている企業活動の中に、コンピュータがどこまでも入り込み、浸透してくる。人間の感性、悟性、理性とコンピュータの合理性をどのように折り合いをつけていくか。その判断力、調整力は“人間力”とでもいえる力量である。」

“人間力”とはいい言葉ですね。社内の中堅SEを対象にした定例勉強会のテキストを元にした本とのことですが、奥の深さを感じさせる本です。