動かないコンピュータ(1)

2001年5月21日

 『「動かないコンピュータ」と闘う』

 コンピュータ専門誌の「日経コンピュータ」( 2001.4.23号)に掲載された記事の題名です。

1996年末まで連載されたコラムに「動かないコンピュータ」というのがありました。コンピュータシステムが当初の計画通り動かず、リース料のみを払い続けた話など、ソフトを納入する側にいても大変参考になった記事です。

記事によると、1980年代前半はオフコン導入ブームで、その導入の失敗事例が多くあったそうです。1990年代になるとオフコン・ディーラーやシステムインテグレータにシステム構築ノウハウがたまってきて、失敗事例が少なくなったとあります。

 実は、1990年代後半からはパソコンのクライアント・サーバーシステムが流行し、それに慣れない販売側がしくじるケースでの失敗事例が多くありましたが、そのころにコラムは無くなっています。

2000年に入ると、ウェブショップなどインターネット上で動くシステムの開発が増えてきて、開発期間が短いことや、開発用ソフトに不慣れな問題などで、システムの質の問題が出始めています。

 「サーバーのリース契約はしたが、期限が来てもアプリケーションが納入されない、しかもインテグレータの担当者が突然退職し、それまでの交渉経緯を知る相手がいなくなってしまった。こうした『動かないWebシステム』の事例は水面下で相当数ある。」と書いています。

 こんなことから、1990年10月8日号に掲載し、1996年9月16日号に再度掲載した内容を、「トラブルの構造が変わっていないなら、トラブルの対策も変わっていないはずだ」として、同じ内容で3回目を掲載することにしたそうです。

「動かないコンピュータ」撲滅のための10カ条

一、 自社のシステム構築に関する力を見極め、無理のない計画を立てる

一、 複数のインテグレータを比較し、最も自社の業務に精通している業者を選ぶ

一、 経営トップが先頭に立ってシステム導入の指揮をとり、全社の理解を得ながら社員をプロジェクトに巻き込む

一、 要件定義や設計など上流工程に時間をかけ、要件が確定後はみだりに変更しない。インテグレータとのやり取りは文書で確認し合う

一、 開発の進み具合を自社で把握できる力を身に付ける

一、 検収とテストに時間をかけ、安易に検収しない

一、 インテグレータとやり取りする社内の責任者を明確に決める

一、 システムが稼動するまであきらめず、あらゆる手段を講じる

一、 インテグレータと有償のアフター・サービス契約を結び、保守体制を整える

一、 インテグレータを下請け扱いしたり、開発費をむやみに値切ったりしない