手直しか新規構築か

2002年7月13日

 先月この欄で失敗例を書いています。歯医者での経験から、システム内容を診てこう直せば問題のいくつかを解決できて、当面の不自由さを解消出来る、そのような診断をしなかったことを少し反省しています。

失敗例の原因のみを考えて、「このような導入方法は間違っている」といっても、そのシステムが使いやすくなるわけではありません。歯の治療で言えば、すべてを抜いて入れ替えなさいと言うような診断です。こんなことは簡単に出来ません。

しかし、言い訳をさしてもらうならば、コンピュータシステムの場合、OS、言語、ツールなどその構成要素が大きく違います。その違った環境をすべて把握している人間など居ないような気がします。だからこそ、当初の内容を知ったSEが大事になります。

 7年くらい前に、富士通のオフコンを導入し、稼動を始めたのだがうまく動かない、直して動くようにしてくれないか、そんな話がありました。SE会社は倒産し、ユーザー側の担当は辞めていました。

少し診ただけで、どうも簡単ではなさそうだと思い、有料で内容を調べることにしました。機械は我々が持っているものと同機種だったのですが、設計書が一部しか残っていなかったため、プログラム、JCL(制御文)、データのすべてを吸い上げて持ち帰りました。

ファイルの種類、ファイルのレイアウトを想定しながら、1本1本のプログラムの流れを追いました。その結果は、非常に稚拙なシステムで、その機械のシステムをつくったことがないことが容易に想像できました。

富士通のオフコンとNECのオフコンでは、JCL・画面・ファイルの考え方などから、システムの構築方法は細かな部分で違って来ます。NECのみを経験したSEが始めて富士通のシステムを構築した、そんな感じを受けました。

しかも、ユーザーの社長の要求は、手でして居ることをすべてコンピュータにさせようとした欲張ったものでした。SEは要求を聴くだけで、当時のコンピュータでは不得意な部分を説明しなかったようです。要は、力が無いのに言いなりに作ってしまったというわけです。

 結果として、プログラムの修正を断念し、パソコンのネットワークOSを使って新規構築の提案をして、成功させた経験があります。

オフコンを活かして作るより、既存のパソコンを活かし、LANにしてしまった方が構築費用として安くなったために、手直しでなくすべてを捨てることにしたのです。